名庭園記憶と記録 洛北の蓮華寺

男は見知らぬ道を歩いていた。

男の目的はある寺院の庭である。その寺の名前は蓮華寺

あまり知られていないのか、情報はあまりなかった。男は情報をもたないまま目的地に向かっていた。

さてどんな庭が待っているのだろうか。

蓮華寺とは 蓮華寺の歴史

蓮華寺は元々は現在の京都駅付近にあった浄土教系の古寺で、応仁の乱で荒廃していたものを、加賀前田家の家臣 今枝民部近義が祖父の菩提のために、現在の地で寛文二年(1662)に再興した寺院だ。

再興の際に、石川丈山、狩野探幽、木下順庵などの文化人たちが協力して再興された。

本堂、鐘楼、庭園などは創建当初のまま現在に至る。

以上拝観券より

門をくぐると高まる期待

門は特に派手さもなく、ここが入り口だとわかる程度のものだった。この時点ではそんなに期待はしていなかった。

しかし、蓮華寺の門をくぐった瞬間に男の期待は一気に膨らんだ。「ここにはなにかある」と。

男は普段庭をあまり見に行かないのであるが、この日は近くで用事がありこの蓮華寺に立ち寄ったのである。ネットに情報は乗ってはいるが、実際のところはここに来るまではわからなかった。

門をくぐると石畳みがまっすぐ方丈?に向かって伸びている。もみじや、他の植栽が程よく茂っていて気持ちのいいアプローチだ。入ってすぐ右には創建当初よりある鐘楼があり、左手にはお地蔵さんがたくさん並んでいた。

門から少し歩いた見返し。左手に見える樹木もなかなかの大木だ。

庭園を見る前に

入り口からまっすぐに方丈に入りそこで、拝観料を払う。400円である。安い!!男はここに来る前に瑠璃光院に立ち寄っていたのであるが、そこは秋の特別公開ということで、拝観料が二千円であった。

拝観料を払うときに注意をうける。「書院から庭へ下りて、本堂まで行けるが、写真は庭へ下りたら撮影してはいけない」と。あいわかりました。

ここの決まりを頭に入れたら、さあいよいよ庭園だ!

蓮華寺の庭園

書院に至るまでに小さな部屋がある。そこを通って書院に行くのだが、その右手を見ると蔵が見えた。その手前に密生した苔が広がっている。なかなかいい!!

書院へいくと、目の前に庭園が広がっていた。

書院に一歩踏み入れるとの景色!!ええやん!ここ!!

もうすぐ紅葉の季節だが、この庭の樹木はもみじが多かった。ということは紅葉するとまた違った美しさが楽しめるはず。

この日は少し雨が降った後だったので、湿っぽい緑が、書院の暗い空間に映えていた。

一つ気になったのは、縁側の軒先を支えている柱だ。なぜか書院本体の柱と柱の間に軒先を支える縁側の柱がある。この書院が江戸時代に作られているのであれば、この柱をなくす技術はあったはずだが、視界を遮るように柱が立っているのが謎であった。

縁側は少しせまい。柱も節が多いので、もしかしたら、後からこの縁側は付いたのかもしれない。

庭は枯山水ではなく池がある。亀石と鶴の石を配置するのが庭の定石らしい。が、多くの庭ではとても亀にはみえない亀石や鶴にはみえない鶴石がある。ここでは亀と一目でわかる亀石がある。亀の向こう側に縦で立っているのが鶴石だろう。

ここの亀は亀というよりもガメラっぽい。なかなかたくましい亀だ!

庭はよくわからないが、石の配置が絶妙な気がする。紅葉が始まると池に反射する色彩がまたきれいだろう。

写真には写っていないが、池には錦鯉が泳いでいてそれもまたきれいだった。枯山水にはない華やかさがある。

右手奥に見えるのが本堂。板が敷かれている部分をスリッパに履き替えて本堂まで行くことができる。本堂は禅宗様でできていた。

違い棚、床の間はとてもシンプル。右手の板戸に書いている鳥の絵もなかなかである。

手水鉢はものすごく素朴。

書院の二面が庭に面している。写真向こう側になる庭も苔が繁茂していて緑が心地いい。暗がりから緑がとても美しい。

後はのこりの写真をどうぞ。

 

 

蓮華寺への行きかた

 

蓮華寺は叡山鉄道八瀬比叡山口駅から徒歩で約10分ほどの場所にあります。

交通の便がいいとは言えませんが、車でなくとも比較的行きやすい場所ではないでしょうか。

近くには庭園が人気の瑠璃光院もあります。

蓮華寺の近くに瑠璃光院という寺院もあります。そこもいい庭があります。紅葉も見ものです。

名庭園の記憶と記録 瑠璃光院の陰影礼賛