イケフェス2019 bwablog的生きた建築巡り

今年もこの時期がやってきた。大阪で10月といえば「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」通称イケフェスの季節だ!!

久々にイケフェス巡りをしようと今年はイケフェス公式カタログも購入!(amazonで買えます。500円)

ずぼらな男は申込なんてしない!!申し込めばなかなか見れない建築をみれるが、申し込みなんて忘れてしまうのだ!!

イケフェスって何?

簡単にいうと「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪」通称イケフェスとは、大阪府下の通常非公開の建築物の部分や、登録文化財になっている建築物を開放してそれらをめぐりながら、「生きた建築」を体感しようという建築のお祭りである。

普段はみれない建築を見れる楽しいイベントになっている。

今年は169件の建築物が公開され今までで一番見どころの多いイケフェスになっている。

ただし、申し込みが必要な建築物は抽選になるので、なかなか抽選が当たるのは難しいようだ。人気建築物の抽選はかなり高い倍率らしい。

今年(2019年)は10月26日(土)と27日(日)の二日間に亘って開催された。

2015年に参加した時よりもかなり参加されている方が増えている気がした。建築好きとしては嬉しいことだ。

俺的イケフェス

ということで、今年も一人で大阪市内の建築物をみて回りました。いけなかった人もいるかと思うので、行ったところの厳選した写真をUPしておきます。

基本申し込みなしで見れるところばかりです。

順番は土曜日に

  • 大阪第一ビル kinng of kinngs
  • 大同生命大阪本社ビル
  • 日建設計大阪オフィス(写真なし)
  • 大阪倶楽部
  • 今橋ビルヂング
  • 江戸堀コダマビル

日曜日

  • 日本聖公川口基督協会
  • 日本基督教団大阪教会
  • 日本基督教団浪速教会
  • 中の島図書館
  • 原田産業(株)大阪本社ビル
  • 農林会館

我ながら2日でよくまわった!!

あんまり詳しい解説はできませんが、雰囲気をお伝えしていきます。

大阪第一ビル kinng of kinngs

大阪第一ビルにあるバー。オープンは1970年らしく、当時の雰囲気が漂っていました。普段は喫茶・バーとして営業しています。この日じゃなくても入ることはできます。イケフェスの日でも見学のみの目的では入ることはできません。

ピアノも置かれていて、なかなかいい雰囲気でした。すべてがレトロ!!昭和の雰囲気が100%残っている場所でした。

店の奥にはバーカウンターもあります。今度夜にでも行ってみよう。

大同生命大阪本社ビル

大同生命大阪本社ビルは土佐堀通りと四ツ橋筋の交差点の東側にある高層ビルです。もともとこの地にウィリアム・ヴォーリーズによるビルがありましたが、建て替えられて現在の高層ビルになっています。

現在のビルのデザインは以前の近代建築のデザインを踏襲して建てられています。上部がせり出していて外観はかなりダイナミックですよね。

ヴォーリーズと広岡家は親戚関係というのも今回知りました。

イケフェスでは自社ビルも開放されていたりするので、なかなか楽しい。

ビルに入るとロビの上部にこの光天井があります。今は照明で光っていますが、建て替え前は自然光の光天井だったようです。(警備員さんに教えてもらいました)

二階に展示室があり、建て替えられる前のビルの内装が再現されていました。壁もテラコッタで装飾されていたそうです。

イスラムっぽい装飾がなかなかカッコイイ!!

日建設計大阪オフィス

日建設計の大阪オフィスでも展示がありました。

展示では最先端の建築ヴィジュアライゼーションを見せてくれていました。3Dのモデリングからレンダリングまでなかなか見ごたえのある展示でした。

大阪倶楽部

大阪倶楽部はガイドツアーに申し込んでいたら玄関ホール以外も見れるようですが、申し込みはしていないので、外観と玄関ホールを見てきました。

大阪倶楽部は大正元年(1912)に設立されたオトナの社交場です。大阪には社交の場といえばお茶屋・料亭しかなかったそうで、西洋風の社交場が大阪の経済界から求められ設立に至りました。

建物は大正三年(1914)に竣工しました。が、大正十一年(1922)に火事で焼失し、現在の建物は設計・安井武雄、施工・大林組により大正十三年(1924)に再建されました。

なかなかいい建物ですよね!大正時代の空気がまだこの周辺には漂っています。

イケフェスの中でも上位に入る人気ぶりだったと思います。

窓の装飾もなかなか。窓の高さの位置が違うのは階段室になっているからです。しかし、そこに自転車おくか?まあいいけど

中に入るとこの怪獣?がお出迎え。おもろい。

玄関建具のガラス格子。こういうの手の込んだ仕事を見れるのが近代建築の楽しいところです。

今橋ビルヂング

大阪倶楽部のすぐ近くにある今橋ビルヂング。下はレストランになっています。今度行ってみよう。こういう建物で食事するといい時間を過ごせそうですよね。

看板も建物の雰囲気にあっていい感じ。

江戸堀コダマビル

大阪倶楽部とは四ツ橋筋を挟んで反対側にある江戸堀コダマビルです。スパニッシュな雰囲気漂うレトロビルです。円形の小さいバルコニーがいい味出してます。

内部の窓の金物。こういうの好き。

日本聖公川口基督協会

さて日付は変わって日曜日。この日は教会巡りになりました。まずは川口教会から。

川口教会はウィリアム・ウィルソンによる設計です。

川口教会は阪神大震災で大被害を受けましたが、信者の方や、地域の協力で、復興されました。塔の写真の真ん中くらいでレンガの色が変化していますが、塔が倒壊して積みなおしたため色が変わっているのだと思います。

この日は教会でバザーが行われていました。地震の被害が大きくても、復興されて使われているのは、建築が愛されているが故だと思います。建築ももちろんいいのですが、愛されている建築はやはりいいですね。

ほかにも写真をいっぱい撮ったのですが、内部の俺的ベストショット!

二階席からみるステンドグラスは圧巻!!

日本基督教団大阪教会

本日2か所目の教会は日本基督教団大阪教会。この教会はヴォーリーズによる設計です。

ヴォーリーズってセンスがものすごくイイですよね。大阪のヴォーリーズ建築はかなり愛されていると思います。

この教会に着いた時には、かなりの見学者がいました。川口教会と同じくここもバザーをやっていました。

川口教会とはまた違う教会です。内部は川口教会よりもシンプルな印象です。

レンガの積方によって模様をつくっている。レンガの色といい積み方といい、素敵な外壁です。

内部はキングポストトラス。真束から引っ張る金物が十字架になっています。壁は漆喰で簡素です。上部のアーチ付きの窓がいい感じ。

日本基督教団浪速教会

この教会はヴォーリーズ指導で竹中工務店により建設されました。プロテスタントの教会になります。教会の隣には辰野金吾による建築があります。

現在はブライダル会場として使われている辰野金吾設計のこの建物は、イケフェスのプレイベントで中に入れたようです。知らなかった。ここは来年に持ち越し。

日本基督教団浪速教会の内部はシンプルですが、アーチ天井が魅力的です。

中の島図書館

中の島図書館はこの日でなくても入れますが、喫茶店があるので行ってみました。喫茶店の中はそこまで近代建築を感じられる内部ではありませんでしたが、窓が大きいのと窓枠が木でできていて装飾的になっているので、いい雰囲気でした。

原田産業(株)大阪本社ビル

このビルの前は何度も通っていましたが、こんなにいい建物だとは知りませんでした。

知っている人が多かったようで、このビルは物凄い人が見学にきていました。現在はオフィスビルとして使われていますが、建設当初のままではなく、非常に手入れの行き届いた建物でした。オーナーさんの建物に対する愛情を感じました。

階段の石の加工すごすぎ!!手すりのトップレールの木の加工もすごい!!

この日はアート作品も展示されていました。(針金でヒトをかたどった作品)

床の仕上げが変わるところ。左から石→モザイクタイル→テラゾとなかなか憎い床仕上げです。こういう仕上げの見切りかた勉強になります!

農林会館

今年の最後は農林会館で締めくくり!しかし、農林会館は中に少し入っただけでした。

農林会館は各フロアに事務所や店舗が入っています。なかなかいいレトロビルです。

さいごに

今年は多くの建物を回ることができました。やはり公式ガイドブックは必携の書でした。ただプレイベントなどは見逃していたので、来年はもっと早く計画を立てようと思いました。が、来年はたぶん忘れているだろう!